<<消費税区分について>>

こんにちは、経理部の田尻です。
今月は2回ブログをお届けします。
紫陽花が色鮮やかに咲く季節となりましたね。
今回のブログのテーマは『消費税の区分』についてのお話となります。
以前<<一番身近な税金「消費税」>>というタイトルで
川口さんから消費税の概要についての記事がありました。
こちらの記事は消費税導入の背景や仕組みについてのお話でした。
今回は“消費税区分”と言う実際に税金を申告するために
実務で使う内容について簡単にお話させていただきたいと思います。
消費税区分とは、
取引ごとに
「この取引に対して消費税が課税されるかどうか」
「課税されるなら税率はいくらか」
といった区分を整理するための分類です。
日本の消費税制度では、取引の内容に応じていくつかの区分が定められています。
この区分ごとに分けて記帳することを“区分経理”と言い、
消費税の申告を適切に行うために必須の知識となります。
主な区分は以下となります。
■主な消費税区分
◇課税取引
消費税の課税対象となる取引です。さらに以下のように分類されます。
・標準税率対象(10%)
→一般的な物品・サービス(家電、衣料品、外食など)
・軽減税率対象(8%)
→飲食料品(酒類・外食を除く)、新聞(定期購読に限る)
◇非課税取引
消費税が「課されない」取引です。
国内取引でも社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引です。
・土地の譲渡・貸付
・利子・保険料
・医療(保険診療)
・学校教育
・住宅の家賃(住居用に限る)
◇免税取引
法律上は課税対象だが、特定の条件で消費税が「免税」とされるものです。
・輸出取引(海外に商品を販売する場合など)
・国際輸送(国際航空便など)
◇不課税取引
消費税の対象外のものです。
消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引です。
これに当たらない取引には消費税はかかりません。
・給与・賃金の支払い
・寄付金や補助金の受取
・株式・債券の譲渡
実際に請求書や帳簿などに記載する際には次のよう区別になります。
区分名 |
税率 |
内容例 |
課税売上10% |
10% |
通常の商品・サービス販売 |
課税売上8%(軽) |
8% |
食料品・新聞など軽減税率対象 |
非課税売上 |
0% |
家賃収入(住居用)、医療費収入など |
免税売上 |
0% |
輸出など |
不課税取引 |
0% |
給与、寄付金など |
インボイス制度では、「課税区分の明示」が重要となります。
軽減税率対象かどうかで記帳や請求書の扱いが変わるため、正確な区分けが求められます。
いかがだったでしょうか。
複雑にも思えますが、分けてみると理解が深まると思います。
何かと話題にもなっていますので、
興味のある方は諸外国の消費税の仕組みについて比較してみると
税に対する考え方の違いが見えてきて興味深いと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
参考文献
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm
経理課